震災復興に関するCM業務

2017.6.30

仙台と石巻を結ぶJR仙石線と造成地

東松島市は市街地の65%が浸水する大きな被害を受けました。復興まちづくりでは「津波に強いまち」を目指し、多重防御施設(海岸防潮堤、内陸堤防、かさ上げ道路等)を整備して、その内側に移転先が選定されました。
移転先の高台造成を行う東松島市野蒜北部丘陵地区震災復興事業は、円滑な事業促進を図ることを目的としてCM*業務の方式で発注されました。独立行政法人都市再生機構が発注者となり、当社を含めた数社が共同体として復興まちづくりを推進しました。
具体的には、共同体が発注者の補助者・代行者であるCMR**として中立性を保ちつつ、事業者の立場で各種マネジメントを行いました。その中で、当社は測量及び土質調査のマネジメントを行い、早期整備工事に必要とされる設計作業のため基礎資料の整備を担いました。

*CM:コンストラクション・マネジメント(Construction Management)の略で発注者、設計者と管理を専門とするコンストラクション・マネージャーが一体となってプロジェクト全般の運営管理を行うこと。

**CMR:コンストラクション・マネージャー(Construction Manager)の略で、CM業務を行う技術者チーム。発注者側に立って設計・発注・施工の各段階で、設計や発注方式の検討のほか、工程管理、品質管理、コスト管理などのマネジメントを行う。

野蒜地区の造成面積は91.5ヘクタール、切土量550万立方メートル、宅地・公営住宅448世帯に及ぶ大規模な事業となりました。
造成地にはJR仙石線の野蒜駅(のびるえき)、東名駅(とうなえき)が移設されて2015年05月30日に開通し、宅地の引き渡しも進められました。2017年10月には野蒜ケ丘まちびらきまつりが開催され、2018年3月には“市街地整備”と“災害公営住宅整備”が完了したことから、復興整備事業の完了式が行われています。

宮城県東松島市野蒜地区(高台移転先)

業務名 野蒜北部丘陵地区一次整地工事、野蒜北部丘陵地区整備工事
場所 宮城県東松島市蒜字後沢他
期間 2012年11月3日~2017年6月30日
事業主体 独立行政法人都市再生機構