岡山県矢掛町で職員向け「防災研修」を行いました

2017.6.13

矢掛町の山野町長が、熊本地震の被災自治体を訪問して、震災対応の難しさを目の当たりにし、矢掛町では大丈夫かと問い直す職員研修を企画されました。
当社は、災害リスク研究センターと中国支社都市・環境・エネルギー部が協力し、第1回目を、次のような講演形式で開催しました。

開催日:
2017年5月25日(木)
出席者:
矢掛町災害防止連絡会議メンバー(備中県民局・警察・町議会・教育委員会・建設業協会支部・土地改良区・消防署・消防団・自治協議会他、および町長・副町長をはじめ町役場各課長の計46名)
EJEC(永井泉治・田中努・三村昇・井上雅司・安藤智章)
タイトル:
熊本震災における行政対応の課題
講演内容:
  1. 熊本地震の被害(PDF:4.42MB)
  2. 熊本地震災害対応検証調査からわかったこと(PDF:1.39MB)
  3. 矢掛町で想定される地震災害と課題(PDF:4.16MB)
  4. 質疑

今、どの自治体でも、地域防災計画と何らかの行動マニュアル類を整備していますが、さらに、BCP(業務継続計画)や受援計画、国土強靱化、タイムライン等の視点で見直し、実効性を高めようとしています。
しかし、もう一つ、首長の視点からの見直しが必要でした。内閣府も熊本地震や東北地方太平洋沖地震等で大被害を受けた自治体の首長さん達から「災害時になすべきこと」をお聞きしてまとめています。今回の矢掛町の「防災研修」は、その見直しの先駆けとなります。
当社では、「戦略的防災訓練」を含め様々な防災研修を行っていますが、防災対応の関係者が、自分たちの地域に起きる災害をイメージできること、各自の役割を承知していて誰かに指示されなくても自発的に行動できること、自分たちの防災対策の実効性を高めるPDCAを自分たちで回せること等が、特に重要と考えています。
そのため、矢掛町の防災研修も、次のような計3回の研修を計画しています。

第1回

熊本地震ではどんな被害が発生したか、被災自治体の職員はどんなことが問題になったか、矢掛町ではどんな被害が発生しそうかを知って、発災時に自分たちが遭遇する状態をイメージする。

第2回

第1回で講演した熊本の自治体に起きた問題と内閣府がまとめた「災害時にトップがなすべきこと」を踏まえ、矢掛町の洪水と地震に対する防災計画や行動マニュアル等に見直すべき点がないか、関係者で議論しながら確認して、課題をまとめる。

第3回

定例の防災訓練の後、災害対応力向上のための「戦略的防災訓練」の視点で、矢掛町の訓練計画を、必要十分か議論しながら確認して、課題をまとめる。

私たちは、矢掛町の防災対策がブラッシュアップされるよう、頑張っています。

以上