地震時被災度即時判定システムの開発

RESEARCH THEME

自治体や企業で策定されているBCP(業務継続計画)では、地震発生後、「職員参集・安否確認」を経て、「被害状況調査(点検)」を24時間以内で行い、その後、「災害対応」が実施される計画となっています。本システムを導入することで、「災害状況調査」の期間を短くし、より早い「災害対応」の実施が行えることを見込んでいます。

本システムでは、簡易地震計(RaspberryShake4D)を支所や病院等の災害拠点施設に設置し、地震時の揺れを観測するとともに、Wi-Fi等でクラウドサーバに転送します。クラウドサーバ内で、震度階計算や応答解析を行うことで、施設の被災度をリアルタイムで推定するとともに、地域内の震度分布・被災度分布・使用性分布がGIS上で把握できます。また対象は、自治体だけでなく、工場や支社支店・営業所といった出先機関が広域に分布しているスーパーや銀行といった民間企業も想定しています。

2018年9月からは、NeGDIS(Next Generation Disaster Information System)というコンソーシアムにより「次世代災害情報システム」として、徳島県吉野川市にて実証実験を開始しており、2018.11.2や2019.3.13に発生した、紀伊水道を震源とした地震の観測に成功しました。

 本システム導入の効果としては、

  • (1)詳細な計測震度分布の把握
  • (2)施設の被災度の推定
  • (3)施設の安全性・使用性の推定
  • (4)点検・被害調査の効率化
  • (5)災害対応人員配置の効率化
  • (6)応援要請の早期実行

等が挙げられます。 本システムは、徳島大学中田成智准教授との共同研究であり、2020年春に完成を予定しています。

NeGDISメンバー:徳島大学・吉野川市・(株)エイト日本技術開発・(株)松島組・スタンシステム(株)・(株)エス・ビー・シー・(有)中央プランニング