ハイパースペクトルカメラによる火山砕屑物の物性同定手法の研究

RESEARCH THEME

災害現場等でのリモートセンシングに活用するため、ハイパースペクトルカメラによる撮像情報を用いた物質・物性の同定手法を研究しています。

この研究では、特に、火山灰や火山礫・砂などの火山砕屑物を対象とし、ハイパースペクトルカメラで撮影した画像を解析して、対象物の組織や構成物、粒度特性、含水比などの同定を行うことを目的としています。

ハイパースペクトルカメラは、撮像素子を用いて光を電気信号に変換しデータを得るデジタルカメラの一種ですが、一般的に普及しているデジタルカメラが赤・緑・青の3バンドの波長情報を捉えて人間の視覚情報に近い2次元のイメージを得るのに対し、ハイパースペクトルカメラでは数十バンド以上の波長情報を得ることができ、スペクトル情報をさらに細かく分析できます。

ハイパースペクトルカメラでは、分光された波長ごとのx、y方向の平面画像(2次元)イメージを一つの層としこれを連続した数十以上の層の塊とした3次元の「データキューブ」と呼ばれる画像イメージセットを取得できます。

撮影する対象について、この「データキューブ」と、粒度分布や含水比などの物性値を対比させることにより、分析したスペクトルやスペクトル解析画像から、対象物の状態・値や値の変化の同定が可能になります。現在、室内計測実験や野外計測実験にて、粒度や含水比が既にわかっている人工試料や、天然の火山灰・火山砕屑物の撮影を行い、データベースを作成しています。