水と緑の健康都市(箕面北部)特定土地区画整理事業

2020.12.20

新規分譲が進んでいる土地区画整理事業により整備された住宅地

大阪府箕面市の北部に位置する水と緑の健康都市(箕面市止々呂美)は、豊かな自然環境に囲まれた郊外型ニュータウンで、1996年の土地区画整理事業認可後、“多世代共生・環境共生・地域共生”をテーマにまちづくりが進められてきました。EJECは事業の最終段階の換地計画、換地処分、区画整理登記を担当しました。

土地区画整理事業のメリット、デメリット

土地区画整理事業は、市街地開発事業(区画整理、再開発、新住宅市街地開発、防災街区などの事業)の中では最もポピュラーで実績が最も多い事業手法です。その歴史は古く、関東大震災からの復興、戦災からの復興、高度成長期のニュータウン開発のための事業や拠点開発、駅前再整備のための事業などに広く導入されてきました。さらに、近年では、阪神淡路大震災、東日本大震災からの復興事業としても多くの地区で導入されています。

このように広く導入される理由としては、以下の点があげられます。

  1. 用地を買収することなくインフラ整備ができる
  2. 土地を交換分合するという仕組みを持っており市街地整備のベースとなる土地の整理が一括で行え、他の事業手法との組み合わせがしやすい
  3. 役所だけでなく、個人、会社、それらが集まった組合が事業施行者になることができ、事業主体の間口が広い

デメリットとしては、事業者側から見た場合に、土地区画整理法の中に様々な民主的な手続きが定められており、事務量が多く時間を要することです。
ただし、このデメリット以上のメリットが感じられるため、長年に亘って広く事業が行われています。

  • 整備されたプロムナード(歩行者専用道路)

  • 整備された公園

豊かな自然と高い交通・生活利便性

水と緑の健康都市は豊かな自然に囲まれ、箕面グリーンロード、新御堂筋により大阪都心へ直結。また近年開通した新名神高速道路箕面とどろみICまで約1kmの距離に位置することなどから利便性も高く、都会に近い割には敷地も比較的広いため自然志向のファミリー世帯の入居が進んでいます。

  • 面積:313.5ha
  • 計画人口:約6,000人
  • 計画住宅戸数:約1,800戸

大規模土地区画整理事業の経験を継承

時代の流れとともに土地区画整理事業の面積規模が小さくなってきているなか、箕面北部地区の314ha は近年の事業としては大きく、頻繁に携さわれる規模ではありません。
この様な事業に係わることができたこと、また議論と検討を重ねた結果、事業を円満に終了させることに寄与できたことで、若手の成長と自信につながり、技術継承の良い機会となりました。
土地区画整理事業自体は減少傾向にありますが、歴史が示す通り一旦災害が起きたときには必ず必要とされる事業手法です。それに備え、引き続き技術の研鑽と継承を続けます。