「桜小橋」が土木学会デザイン賞の優秀賞を受賞

2019.11.22

EJECが設計を担当した「桜小橋」(東京都中央区)が2019年度土木学会デザイン賞(優秀賞)を受賞しました。

概要

桜小橋は、東京に残る歴史的な水辺・朝潮運河に架かる橋長87.8m の歩行者専用の橋で、2017年10月1日に竣工しています。

月島・勝どき・晴海地区の回遊性を高め、晴海通りの歩道混雑緩和と災害時の避難路を確保する目的で計画された橋の一つで、周辺地域および運河空間の回遊性を生み出し魅力ある水辺空間とするため、橋と橋詰空間そして接続街路までをトータルにデザインしました。

区と設計チームは、検討委員会のアドバイスや地域の方々の要望を踏まえ、回遊性の向上に加えて近隣住民のプライバシー確保や沿道の住環境の魅力向上、全体にわたるユニバーサルデザインを重視し、計画しました。

橋梁本体については様々な制約条件を満足させる必要がありました。例えば、橋脚位置は朝潮運河の航路幅を確保する必要があること、航路を通過する船のための高さが必要であること、電力用管路を12条納めなければならないこと、施工スペースが限られていることなどです。その上で、水辺の魅力を引き立てることを意識し、薄い桁がふわりと浮いて見えるシルエットを求め様々な検討を行いました。

デザイン賞授賞式はどなたでも参加できます

2020年1月25日(土)に土木学会講堂(東京都新宿区四谷1丁目外堀公園内)にて授賞式が開催され、設計者自身による受賞作品プレゼンテーションと選考委員による講評、来場者からの質疑応答などが行われます。
授賞式は広く一般の方にご参加いただくことを期待して開催されるものです。みなさま是非ご参加ください。
→2019年度授賞式プログラムPDF

土木学会デザイン賞とは

土木学会デザイン賞は公益社団法人土木学会景観デザイン委員会が主催する顕彰制度です。2001年に創設され、正式名称は「土木学会景観・デザイン委員会デザイン賞」といいます。公募対象を広く土木構造物や公共的な空間に求め、計画や設計技術、制度の活用、組織活動の創意工夫によって周辺環境や地域と一体となった景観の創造や保全を実現した作品およびそれらの実現に貢献した関係者や関係組織の顕彰を行っています。顕彰活動を通じて、本賞が目指すところは下記の通りです。

  • 優れた土木構造物や公共的な空間のデザインとその指針の提示
  • 創造的思考を持ち、デザイン力のある技術者の発掘と認知、普及
  • 美しい国づくりに資する計画や制度、設計、技術の向上について検証し、議論する土壌の確立
  • 優れた土木構造物や公共的な空間の蓄積による文化的で豊かな公共性を有する社会の実現
土木学会デザイン賞WEBサイトより)

橋のたもとに向けての幅の広がりとあたたかみのある舗装

上質で親しみを感じられるよう全体から細部まで丁寧にデザイン

住空間の魅力向上と水辺へのアクセスの良さを両立

さりげないが印象的な親柱のデザイン

彩りを添えるカラフルな地覆(じふく)タイル

シンプルで軽やかなシルエット

利用者の安心感と夜景を演出する照明