鋼上路トラス橋の支承取替設計(立体解析による仮支持補強含む)

2021.3.15

ジャッキアップ補強詳細図と施工時全景パース

名阪国道の越川大橋(えちがわおおはし)の支承※を取り替えるための詳細設計を行いました。
交通量が多い名阪国道では橋梁の老朽化が問題となっており、特に越川大橋の支承は損傷が著しく、大型ゴム支承への取り替えが必要となったためです。
越川大橋の橋桁(上部構造)は鋼上路トラス橋※に区分され、支承はコンクリートの橋脚との間に設置されています。この支承を交換するためには、一度、仮設の橋脚に橋の荷重をのせ替える必要があります(荷重支持点の盛替)。荷重支持点の盛替に際しては、上部のトラス構造へ悪影響を与えないよう、力学的な確認が必要です。また、長期の通行止めができない重要な道路であるため、交通量の多い状態で共用を続けながら安全に取り替えをしなければなりません。このため、上部工の立体解析により構造影響評価(施工ステップ解析他)および仮支持部材の補強設計を行いました。
取替工事の各工事段階を想定した設計を行ったことで、想定外の作業も無く、安全に完了しました。

施工時の全景(仮支持ベントと支承部足場設置状況)

仮支持補強部材と盛替ジャッキ

※支承(Bearing):橋脚や橋台(下部構造)の上に橋げた(上部構造)をのせるための部材。沓(くつ)やシュー(shoe)ともいう。上部構造の荷重を下部構造へ伝えたり、揺れや振動を吸収する働きがある。

※鋼上路トラス橋:鋼(スチール)を使用したトラス橋。トラスは部材を組み合わせて三角形の集合体として構造を支えるもの。上路とは、通路(車道、歩道、鉄道、水道管など)が構造の上方にあるものをいう。

路線名 一般国道25号(名阪国道)
業務名 平成24年度 25号木津川橋重量超過調査業務
場所 三重県関町
期間 2012年5月16日~2013年3月15日
事業主体 中部地方整備局 北勢国道事務所