「二重峠トンネル」が土木学会技術賞、
「常磐橋修復事業」が土木学会田中賞を受賞

2021.5.31

EJECが設計を担当した「二重峠(ふたえのとうげ)トンネル」が土木学会技術賞を、「常磐橋修復事業」が公益社団法人土木学会から令和2年度土木学会田中賞(作品部門:改築)を受賞いたしました。

二重峠トンネル工事へのECI方式適用による災害復旧道路早期開通の実現

2016年(平成28年)4月の熊本地震による大規模な斜面崩壊により通行不能となった国道57号線の災害復旧事業として、国道57号線北側復旧ルートの整備が行われました。北側復旧ルートの主要な構造物として進められた二重峠トンネルは、トンネル工事の契約では全国で初めてとなる技術提案・交渉方式の技術協力・施工タイプ(ECI(Early Contractor Involvement) 方式)を適用。
EJECは設計会社として、施工者からトンネル施工に関する技術提案を受け、その内容を発注者とともに協議してトンネル設計に反映しました。 設計対象として、本坑・避難坑のトンネル本体の設計に加え、通常は別業務となる設備詳細設計、土捨て場詳細設計も完成させ、施工前の準備期間の短縮に努め早期開通に貢献しました。

土木学会技術賞
Iグループとは

土木学会技術賞Iグループは「土木技術の発展に顕著な貢献をなし、社会の発展に寄与したと認められるインフラの計画、設計、施工または運用やメンテナンス等の画期的な個別技術。(いわゆる「ハード技術」のみならず、情報システム、マネジメント手法、ビジネスモデル、制度の導入等の「ソフト技術」についても対象とする)」ものです。

常磐橋修復事業

常磐橋は、東京都千代田区・中央区境界の日本橋川に架かる橋で、明治10年(1877年)に木造から洋式石橋で架け替えられた二連アーチ橋です。2011年に発生した東日本大震災により橋の輪石が歪み、崩落の危険が生じたため、区により補修工事が行われました。
通常の道路や橋梁と違い、機能性・安全性の向上だけでなく、古写真等を基に、建造当時の姿への復元や文化財的価値の保全なども行われました。工事は困難を極めましたが、このたび約9年もの長きにわたる修復作業が完了しました。EJECは、修復方針検討のための構造解析を、京都大学、早稲田大学と共働し、実施しました。

土木学会田中賞とは

土木学会田中賞は「橋梁及びそれに類する構造物の新設又は改築で、計画・設計・製作・施工・維持管理などの面においてすぐれた特色を有すると認められるものについて選考される」もので、昨年度に完成した橋梁の中から選ばれます。

EJECでは、近年2014年度に「太田川大橋」(広島市)、「伊良部大橋」(沖縄県)が、2016年度に「朝明川橋」(三重県)が、また2019元年度には「横浜港北ジャンクション」が田中賞を受賞しております。