給水事業体の運営能力を強化(タジキスタン国)

2021.7.31

  • 日本と同じ安全な水の供給

  • 水道のない村への給水区域拡張工事

給水施設の運用に課題

タジキスタン国ピアンジ県、ハマドニ県の2つの地方都市には日本の無償資金協力による給水施設が建設されてきましたが、施設の運転管理、料金制を含む経営管理、顧客管理などに課題があり、運営組織の能力強化が求められていました。
EJECは2013~2016年にピアンジ県での給水施設建設の調査・設計・施工監理に携り、その成果はJICAの理事長賞として顕彰されていることもあり、現地の事情に精通する技術者としてプロジェクトを担当することになりました。

給水サービスに対する信頼向上を目指して

タジキスタン国ピアンジ県、ハマドニ県の2つの地方都市には日本の無償資金協力による給水施設が建設されてきましたが、施設の運転管理、料金制を含む経営管理、顧客管理などに課題があり、運営組織の能力強化が求められていました。
EJECは2013~2016年にピアンジ県での給水施設建設の調査・設計・施工監理に携り、その成果はJICAの理事長賞として顕彰されていることもあり、現地の事情に精通する技術者としてプロジェクトを担当することになりました。

このプロジェクトは、タジキスタン国の地方都市給水を管轄する2つの上下水道公社(ロシア語でボドカナル、以下「VK」)を対象に、経営能力強化を目的とした技術協力です。これらのVKにおいて、給水施設の運転・維持管理の改善、水道メーター設置による定額制から従量料金制への移行、水道事業経営に必要なデータ管理の強化、VK職員の能力開発のための本邦研修やワークショップの開催などを行い、人材育成、組織改善、システム改善に貢献しました。

EJECはJV代表として多くの人材(累計延べ47人・月)を専門家として現地に派遣し、現地コンサルタントも活躍しプロジェクトを推進しました。プロジェクトの終盤では、世界的なCOVID-19拡大によって、同国への渡航ができなくなりましたが、日本からの遠隔で現地に指示を出しつつ活動を続け、2021年7月に無事完了しました。この活動を通じてプロジェクト目標を達成することはもちろん、他の施設運営にも応用できる様々な工夫を実現させ、期待以上の成果を得ることができました。

特に次の成果はタジキスタンの全国のVKにも普及すべきものです。

  • 手書きの台帳や帳票で行っていた給水施設の運転・維持管理、顧客管理及び財務管理の情報を全て電子化・データベース化することでデータ管理の効率性と正確性を著しく改善しました。
  • 能力開発の一環として、各VKが策定した「給水区域拡張計画」や「無収水削減計画」の実施を支援し、新規顧客の獲得、給水サービスに対する顧客満足度の改善等を実現しました。
  • 給水施設の厳格な運転管理を指導し、給水の安定性の改善、24時間給水の実現、安全な給水水質の確保を行いました。
  • VKが主体となり「水道教室」や「手洗い運動」などの地域活動を行うことで顧客との信頼関係を構築しました。
  • 財務状況の改善による給与の改善や給水サービスに対する顧客の信頼獲得によりVK職員の業務に対する高いモチベーションが維持できるようになりました。

  • コロナ対策として「手洗い運動」の開催

  • 水道メーター設置と従量料金制の導入

ピアンジVKの高架水槽 先行の無償資金協力(設計施工監理:EJEC)で建設

  • オペレーターへの運転管理指導

  • 水の国際会議への出席

業務名 タジキスタン国ピアンジ県・ハマドニ県上下水道公社給水事業運営能力強化プロジェクト
期間 2017年4月~2021年7月(52ヶ月)
発注者 独立行政法人国際協力機構(JICA)
受注者 JV (代表:EJEC、構成員:建設技研インターナショナル)