ケニア国ナイロビ高架橋・道路拡幅建設プロジェクト

2019.4.1

ナイロビ駅跨線橋とエンタープライズ道路完成予想図(EJEC作成のCG動画より)

ケニアの首都ナイロビ市では、人口増加や通過交通の増加、環状道路の分断による非効率な交通システムなどにより渋滞が深刻化し、経済損失や大気汚染・騒音等の自動車公害を引き起こしています。さらに、ナイロビ市の人口は2025年には587万人へと増加し、ナイロビ都市圏の交通渋滞がより悪化することが予想されています。また、ナイロビ市は東アフリカ最大の国際港モンバサから、ウガンダやルワンダといった内陸国へと続く北部回廊上に位置することから、同市を通過する交通・物流の円滑化は自国の経済成長の促進のみならず周辺国の経済発展にとっても重要となります。
そこでケニア政府は、「ナイロビ都市開発マスタープラン」(戦略的マスタープランの一環)の中でも優先プロジェクト候補として挙げられていた「ナイロビ駅付近の操車場を跨ぐ高架橋の建設」と高架橋の南側に接続する「エンタープライズ道路の拡幅」」について円借款を活用し進めることにしていました。EJECは他3社とJVを組成し、その代表として上記の経緯を踏まえ、渋滞を緩和し域内の交通・物流の円滑化を図るための計画と調査を行いました。まず、高架橋建設、周辺道路・交差点改良等の計画を行い、次いでプロジェクト実現のための事業費、事業実施体制、運営・維持管理体制、環境及び社会面の配慮など、日本が有償資金協力として実施するための審査に必要な調査を行っています。
EJECはJVの総括の役割を担うとともに、都市交通計画、道路設計、交差点設計、自然条件調査(測量・地質)、環境社会配慮、施工計画/事業費積算、交通量調査、社会環境配慮などを担当しました。
今後、日本の円借款事業として採択されれば、詳細設計、施工段階へと進むことが期待されています。

JV(joint venture、ジョイントベンチャー):建設関連事業における共同企業体。資金力・技術力・労働力などから見て、一企業では請け負うことができない大規模な工事・事業を複数の企業が協力して請け負う事業組織体。

業務名 ナイロビ高架橋・道路拡幅事業準備調査
場所 ケニア国ナイロビ市
期間 2015年10月29日~2019年3月22日
発注者 独立行政法人国際協力機構