水中ドローンで海中の構造物を安全に効率よく点検
2025.8.1
海に沈没した浮消波堤
愛媛県宇和島市津島町北灘地区には、豊かな水産物の養殖場があります。沖合には浮消波堤が整備されていますが、その一つが沈没していたため、水中ドローンによる確認調査を実施しました。


北灘漁場沖 浮消波堤 上空からの様子
浮消波堤の多くは、水産物の養殖場を沖合に展開するときに、その海域を静穏にするために設置されます。大きな箱のようなものから複雑な形状なものまであり、水深が深い場所や海底が泥のような場所でも、比較的容易に設置することができます。
安全で確実な海中調査を実施するために
事前の海上踏査ではナローマルチビーム計測を行いました。取得した3次元データで海底地盤の概略地形と沈没した浮消波堤の位置が特定され、水中ドローンの安全で確実な潜水経路を計画し、潜水ポイントを選定することができました。


ナローマルチビーム計測で取得した3次元地形データによりF堤位置を特定
また、調査箇所である北灘漁場沖は、大分県と愛媛県に挟まれた豊後水道に位置する潮流の変化が激しい海域で、周囲の水深は70m程度と深いため、使用する水中ドローンは急激な潮流の変化に耐える機種を選定しました。調査時には、動画とソナー映像を同時に記録することで、効率的に正確な状況を把握することができました。


水深70m付近に沈没した浮消波堤 動画(左)とソナー映像(右)
EJECでは、施設点検及び維持管理のDXを積極的に進めています。現地の状況に合わせた3次元計測機器を選定して、高品質な計測データを効率よく取得し、課題解決に繋げています。
業務名 | 北灘漁場浮消波堤B法線調査業務 |
業務内容 | 浮消波堤の設置状況等に関する潜水調査(ROV) |
期間 | 2024年12月25日~2025年3月31日 |
事業主体 | 愛媛県宇和島市 |
株式会社エイト日本技術開発
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