FUTURE

未来編

03

若手座談会
「いまを見つめ、これからを描く」

Young Voices

若手・中堅社員が、現場の視点から会社の強みと課題を語り合いました。
そこから見えてきたのは、未来への期待と広がる可能性でした。

若手・中堅社員の面々

2025年1月8日(水)東京本社会議室にて開催
※所属支社・部署等は座談会当時のもの

現場で感じる自社の強みと課題
[現在]

皆さんの業務について教えてください。

大寺私はタイ現地法人であるEJECタイランドの運営・経営を含む海外・アジアへの事業展開推進及び、新規ビジネス創出に関する企画・制度構築などに携わっています。

中垣2017年5月まで中部支社で橋梁設計を行い、同年6月から岩手県宮古で三陸国道事務所のPPP業務(事業監理業務)に約4年間従事しました。2021年4月から東北支社に勤務し現在に至ります。

田島私は設計に伴う軟弱地盤解析、路面下空洞探査関連、宅地耐震化推進事業に係る調査提案~解析~対策検討までの一連業務などが主な仕事です。

高木徳島県全域の営業活動や営業事務処理を行っています。入社して10年徳島勤務で、主に国交省・県・市町村を担当しています。

ルペシュドローンのAIシステムの開発など、EJイノベーション技術センターで新技術開発を担当しています。

山崎私は廃棄物処理に関する部署で、施設整備の上流側の計画であるごみ処理基本計画や施設の整備計画の策定を行っています。

EJECの強みについて伺えますか。

大寺他社との比較優位性のある技術分野として、廃棄物、トンネル、港湾、耐震、保全などがあるほか、ほぼ全ての土木インフラに関する技術部隊を持っています。このことから複合的なインフラ課題に対しても総合建設コンサルとして取り組む技術的蓄積がある点ではないでしょうか。

山崎総合建設コンサルタントとして、社内で分野間の連携がとりやすい点も強みですね。すぐに連携をとれる体制であるため、発注者によりよいサービスをスピーディーに提供できます。また、全国に支社・支店があり、官公庁の規定やマニュアルの改訂などの際にも、支社・支店間で情報共有し、迅速に対応できていると感じます。

高木全国規模の総合建設コンサルタント会社でありながら地方の自治体の顧客を獲得している点は大きいですね。例えば、地方自治体発注の業務で少し特殊なものや街づくりの開発に関わる業務になると、発注者も専門的な知識がないため、我々を頼っていただけます。

中垣技術管理者という立場からも、やはり総合コンサルという点は強みであると実感します。技術部と営業などの事業推進本部との間でも助け合いの精神がある点は会社としての強みになっていると思います。

ルペシュ各専門技術者から情報を入手しやすいですし、新しい技術を取り入れ、展開できているのも強みです。

課題や改善したい点はありますか。

中垣橋梁事業部東北支社では東北管内だけで十分といえる受注がないのが現状ですので、安定受注の確保のために東北管内に根を張ることが課題です。また、中間層の社員が少ないという歪な社員構成である点からも、自分の知識と技術を若い技術者に伝え、彼らが立派な技術者となり骨太な組織にしていく「育成」にもう少し重きをおく必要があると思います。

高木私は年齢的にも管理職と若手の中間であり、次のステップとして早く管理職の方と同じように仕事をしていかないといけない世代でもあります。常に管理職の方が行っている仕事を意識しながら日々新しい仕事にチャレンジするようにしています。

田島しっかり次世代に仕事や技術を引き継ぐことは重要ですね。強みである専門性の高い技術者が多数在籍しているのにもかかわらず、社員にその情報が共有・把握しきれていないという点も改善できれば、よりよくなるのではないかと思います。

中垣社内の人材資源を活かしきることはさらなる強みにつながりますね。さらに言えば、テクニカルスキルやヒューマンスキルなどの各自の得意分野を活かす業務形態の導入も検討してほしいところです。

大寺管理職の立場から言えば、多数の兼務及びその兼務間の業務などの時間配分が課題です。より経営・戦略立案へ注力したいという思いがあります。

山崎時間的ロスという点では、データ整理に労力がかかっている点を改善したいです。所属する部署の業務内容が複雑なこともあり、プロポーザル用に業務実績を整理する際、過去の類似業務を抽出する作業に時間がかかることが多々ありました。業務実績の詳細が一目でわかるシステムなどがあれば、時間短縮にもつながるのではと、私自身でもできることを模索中です。

田島AIなどを活用し、ルーチンワークや簡単な作業をいかに効率よく進め、本質的な部分の技術力・コンサル力を高めていけるかが重要になっていきますね。

大寺そのほかで言えば、外国人従業員への総務的な支援があまり充実していないと思うのですが、ルペシュさんはどうですか?

ルペシュそうですね。社内規定やアンケート、マニュアル、各種書類などは全て日本語です。英訳版を作成してほしいです(笑)。

自分たちが描くエイト日本技術開発のこれから
[未来]

必要とされる社員への機会とともに、EJECに期待したいことを伺えますか。

大寺若手には社内のプラットフォームやビジネスコンペなど、新規ビジネスを形にするような場、事業者・運営者として子会社事業や海外業務を一定期間経験できる場などを提供したいですね。そのための制度整備を前向きに考えて、新しいことへのチャレンジを応援できる組織・制度がある会社であることを期待します。

中垣私も新規業務・事業へのチャレンジの機会が必要だと感じています。そのほかで言えば、新人のローテーション研修などの部門間の交流もあればいいと思います。核となる技術はしっかり持った上で、固定概念にとらわれず、自由な発想が浮かぶ柔軟な会社、様々な分野の技術者がいる強みを活かし、コーディネイト力を含めた総合コンサル力を高めていきたいですね。

田島横のつながりという意味での一定期間の部門間ローテーションなどもあれば、新しい視点を見出した面白いアイデア創出も期待できますね。

ルペシュ私は若手社員の趣味や特技などを含めた隠れた能力を披露する場を設け、仕事や別事業、ビジネスに活かせる場をつくってもらいたいと思います。皆がフラットで自由にアイデアを出し合い、創造的な発想を促進できる会社、経営会議で若手社員の意見も反映できるような会社であれば嬉しいですね。

高木社員一人ひとりが自分自身で判断して行動できることが重要です。その上で会社全体がチャレンジ意欲の高い集団である、そんな環境が大切だと思います。時代の変化に柔軟に対応するためにも、社員一人ひとりがより集団意識を持って会社のことを考える「思いやりのある会社」にしていきたいですね。

山崎学会などで新技術を発表している先輩の姿を目にする機会は、若手の意欲向上にもつながると思います。また、もう少し個人の負担が減るような働き方ができればと感じます。個人差はありますが、プライベートの時間も確保できるような働き方にシフトチェンジしていくことで、将来の人材確保にもつながるのではないでしょうか。

最後に今後の建設コンサルタント業界とEJECの可能性についてお話しいただけますか。

大寺今後、建設コンサルタント業界はインフラの新設から、更新や維持管理などの既存インフラの老朽化対策などに主要な役割がシフトするとともに、より複雑な社会課題に対応するために多様・多分野の対応力が求められます。公共インフラの運営側(事業者)としての役割も大きくなりますし、途上国支援もまだまだ役割が大きいと思います。そんな中、維持管理・保全に関する豊富なノウハウや、総合コンサルとしての幅広さ、子会社事業での事業者側の経験などは、我が社の未来に向けて大きな強みになる可能性があると考えています。個人的には海外に関わる新しい事業や取り組みに自ら挑戦できる人を多く育成していきたいですね。

中垣社会資本のニーズが多面化し、何かを設計する際には1分野での専門知識や技術では対応できなくなっていくでしょうね。技術者も自分の専門分野はもちろん、他分野の知識もある程度習得しておく必要があり、そのような技術者たちが手を取り合って業務を遂行していくことが重要だと感じます。

ルペシュ今後は、世界中で信頼されるEJECにしていきたいと思っています。日本は少子高齢化や過疎化、財源不足などの大きな問題を抱え、新規インフラ整備の縮小が考えられるため、必ずしも建設コンサルタント業界の未来が明るいとは言いきれません。このため、我が社は不動産などの民間インフラ会社、海外事業への着手、他業種事業への参入なども考えていく必要があると思います。

田島新規事業、民間や海外などへの新規市場の開拓はやはり重要ですね。個人的には、「エイト日本技術開発」という社名をもっと有名にしたいという思いがあります。魅力的な会社になれば、優秀な人材の獲得にもつながりますし。

中垣社名の浸透については、まだまだだと日々、私も痛感します。客先での第一印象がやはり大きく異なりますからね(笑)。

高木私は営業という仕事を通して、我が社と顧客との架け橋になり、「街に必要とされる会社」にしていきたいです。そのためにも社名の認知度も上げていきたいですね。そして、安心安全な生活基盤を実現させ、気候変動や環境問題、人口減少といった様々な社会的問題をこれからも解決していく役割を担っていきたいと思っています。まずは技術力をしっかりと次の世代に継承し、次の世代が生き生きと仕事ができ、成長できる環境を整備することで、国内外の建設コンサルタント業界を引っ張る会社・存在にしていきたいです。

山崎私は建設コンサルタント業界は将来もなくなることはないと思っていますが、今ある確かな技術を確実に継承するとともに、時代に合ったサービスを提供できるよう挑戦し続けることで、今後も建設コンサルタント業界の前線として活躍し続けられるのではないかと思います。近年話題になっている脱炭素社会の実現に向け、我が社が「デコ活(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)」に登録したように、時代に合わせた取り組みが必要だと思います。個人的には「ファンが多い技術者」を目指します。確かな技術力はもちろんですが、発注者に寄り添った提案を通じて、今後も一緒に仕事をしたいと思ってもらえるような技術者になって会社に貢献していきたいと思います。