1999年トルコ・コジャエリ地震被害調査速報  磯山龍二


3.地震動

 コジャエリ地震における強震観測結果を図-3.1に示す。断層に比較的近い地点で0.22g、0.32g等の最大加速度が観測されている。加速度 が最も大きかったのはアドパザルで0.41gであった。

図-3.1 最大加速度(水平)の値。%g。22なら0.22g。(ボガジッチ大学HPより)


 

図-3.2(a)にはYarimca(YTP)の水平成分の記録を示す(図-3.1では32と示される場所)。この地点は、炎上した石油精製所の近くで、 地盤は良好と考えられる(土木学会調査団による簡易S波速度測定によると地表近くでは300m/sec程度の値を示した(*1)。

 比較のため図-3.2(b)には兵庫県南部地震における神戸海洋気象台の記録も示している。YTP地点は316gal、神戸海洋気象台は 619galと最大加速度は神戸の方が圧倒的に大きい。図の縦軸のスケール、すなわち最大加速度は(a),(b)で異なるが、時間軸についてはおおよそ合 わせてある。コジャエリ地震では2回のイベントが連続的に起こっているようであるが、継続時間は50秒ほどとかなり長いことがわかる。

 図-3.3には両者の加速度応答スペクトルを示す。周期1秒程度までは神戸海洋気象台のものが圧倒的に大きいが、長い周期帯域では概ねYTPの方 が大きい。特に周期3〜4秒のところに大きなピークがあるのが特徴的である。

*1 Earthquake Engineering Committee, Japan Society of Civil Engineers: The 1999 Kocaeli Earthquake, Turkey - Investigation into Damage to Civil Engineering Structures- , December 1999.

(a)YTP地点のNS方向の加速度波形(イズミット石油精製所の近く)

(b)神戸海洋気象台のEW方向の加速度波形

図-3.1コジャエリ地震の加速度波形と神戸海洋気象台の波形との比較

図-3.3 コジャエリ地震(YTP)と神戸海洋気象台の加速度応答スペクトルの比較


4.ギョルジュク水没

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